対策が必要な建物は全国に数多くあります
国土交通省の調べによれば、アスベストが使われていて何らかの対策が必要とされる建物は280万棟以上にものぼるとされています(国土交通省「社会資本整備審議会建築分科会アスベスト対策部会(第5回)」資料より)。
では、アスベストが含まれている建物はすぐに撤去しなくてはいけないのでしょうか?
除去の前にアスベストの状況を正確に把握することが重要
基準法では、吹付けアスベストとアスベスト含有吹付けロックウールが規制対象となっています。これらが使用されていなければ、建築基準法上は除去等の対象になりません。
アスベストを含有した吹付け材は、劣化によって繊維を飛散させてしまう可能性がありますので、専門業者によって現状を診断してもらう必要があります。今は状態が良くても、将来の劣化による飛散を防ぐためには早めの対策が望ましいでしょう。
また、屋根材や外装材、内装材に使用される成型板にアスベストが含まれていた場合もあります。こうした成型板は切断したり穴を開けたりしなければ特別な管理は必要ないとされています。ただし、知らずにリフォームしたりDIYしたりすれば、アスベストを含む封じんを発生させてしまいかねません。増改築・大規模修繕の際には専門業者に調査を依頼し、適切な取扱いをしてもらいましょう。