3分でわかる! アスベストの撤去方法と撤去費用について一挙公開

アスベスト博士
素人にはわかりづらいアスベストをやさしく説明してくれる博士。

30秒でわかるまとめ

古い空き家などの建物を解体する場合、アスベストの使用状況を調査する必要がある。調査方法としては、竣工年とアスベストの規制状況を照合する方法、使用建材で確認する方法、分析調査を行う方法などがある。アスベストの使用が判明した建物の解体・撤去に際しては、アスベストの飛散を防止して健康被害を未然に防ぐため、適切な処理を行う。その工事費用は、一般的な解体工事に比べて高額になる。

かつては使いやすい建材として多くの建物で使われてきたアスベスト(石綿)ですが、その深刻な健康被害が知られると社会問題にもなりました。日本では2006年に使用が全面的に禁止され、それ以降の建物ではアスベストを含む建材は使われていないと考えてさしつかえないでしょう。

一方で、長年住んできた実家や、相続したものの解体を考えている家など、築年数の経過している建物ではアスベストが使われていることが珍しくありません。そうした場合はアスベストの撤去・除去が必要となりますが、気になるのがその方法と費用です。

アスベスト含有の建物を壊す前に確認したいこと

今って、放置された空き家が問題化しているんですよね。

そうですね。人が住んでいない空き家を解体しようと考えることもあるでしょうし。もし建物を解体するとなれば、アスベストが使用されていないかどうかを調査する必要がありますから、簡単に取り壊すことが難しいんです。

アスベストの調査は大変なんですか?どんなふうに行えばいいんでしょうか。

調査の方法としては、設計図面などで竣工年(築年数)を確認してアスベストの使用が禁止された時期と照合するというものや、使われた建材の品番・商品名から製造メーカーに問い合わせを行ったり、国が公表しているアスベスト含有建材データベースで確認したりする方法があります。それでも明らかにならない場合は、分析調査などを行って確認することになります。

まずは自分たちでできる限り調べて、どうしてもわからなかったら専門の方にお願いするんですね。

そうですね。そして調査の結果、アスベストが使われていると判明した場合は、アスベストの飛散を防止して健康被害を防ぎながら適切な処理を行う必要が生じます。その処理には、必須となる事前の届け出や工事前後で行うべき工程などがあり、そうした手順は法律で決められています。

私たちもその法律を理解していないといけないんでしょうか?難しそうです。

いえ、対応のほとんどは、アスベストの撤去・除去工事や建物の解体工事を請け負う会社が対応することですから、依頼する施主自身が法律を細かく理解したり何かの対応をするというような必要はほとんどありません。ただし、そうした手順をきちんと守って適切な処理を行ってもらうためには、信頼できる会社を選ぶことが大切ですよ。

アスベスト撤去には対策が必須

博士、アスベストが含まれている建物を撤去するとしたら、どんな対策が必要になるんでしょうか?

まず、板や吹き付け材のような建材に含まれているアスベストは、工事でむやみに壊されてしまうと細かい線維に戻って空気中に飛散してしまいますね。それを人が吸い込むと、深刻な健康被害を招いてしまうのは、もうご存知ですよね。

はい。アスベストの撤去・除去を適切に行わなければ、工事を行っている担当者や工事中に訪れる建物の所有者、建物の近隣に住んでいる方など、多くの人に甚大な健康被害のリスクが生じることになります。

そのとおりです。そうした危険を防ぐため、アスベストの撤去・除去には、空気中への飛散を極力抑え、工事の作業担当者をはじめとする人々が吸い込まないようにするための対策が不可欠です。

アスベストはさまざまな形態で数多くの建材に使われているんですよね。形状やアスベストの密度によって空気中への飛散のしやすさが異なることから、飛散リスクが高ければ高いほど、健康被害の危険性が高まると聞きました。

そうですね。アスベストは、その危険性が高い順にレベル1から3までに区分されており、処理手順やとるべき対策はこのレベルごとに法律で厳しく定められています。たとえば、危険性が最も高いレベル1では、工事を行う場所を養生・密閉したうえでアスベスト使用箇所を湿らせたり特殊な薬液を使うなどして、撤去・除去したアスベストが粉末となって空気中に飛散するのを防ぐこととされています。事前には監督省庁への届け出や周囲への告知も必要です。

レベル3が一番危険性が低いんですね。それでも対策は必要なんですか?

危険性が最も低いレベル3では、関係省庁への事前届け出や、工事場所の隔離養生などの必要がありません。手作業で除去するケースが多いですが、作業員の保護具も簡易的なものを使うことができます。

アスベスト撤去にかかる費用について

博士、アスベストの危険性についてはよくわかったのですが、撤去や除去にはどのくらいの費用がかかるんでしょうか?

費用面はとても気になりますよね。建物自体を解体する場合も、アスベストが使われている建物の場合は一般的な解体工事に比べて高額になるんです。アスベストの撤去・除去にかかる費用は、アスベストがどこにどのぐらい使われているかということと、その危険性のレベルが1から3のどれに該当するのかによって、20万円程度から数百万円まで幅があります。

そんなに幅があるんですか?たとえば30坪で2階建てくらいの建物だといくらくらいになりますか?

そうですね、30坪・2階建ての家での一例を挙げると、レベル3の工事であれば20万円から30万円程度で済むこともあります。建物の柱や天井にアスベストとセメントの合材が吹き付けられているようなレベル1のケースでは、1平方メートルあたり数万円、建物全体で数百万円に上ることもありますよ。

高いですね…。でも安心して暮らすためには必要なことですものね。工事を考えるなら、適切な調査をして、それをもとにきちんと見積もってもらうのが安心ですね。

そのとおりです。アスベストの撤去・除去工事は、その使われ方や危険性によっては非常に高額な費用がかかってしまうこともあり得ます。そうなると負担が大きく、なかなか踏み出せないということもあるかもしれませんが、そんな場合は、一度お住まいの自治体に相談してみましょう。地域によっては、都道府県や市町村からアスベスト撤去・除去にかかる費用の補助金を受けることができる場合もありますよ。


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