2004年以前のスレート屋根には注意! スレート屋根とアスベストの関係と修繕方法について

アスベスト博士
素人にはわかりづらいアスベストをやさしく説明してくれる博士。

30秒でわかるまとめ

人気の屋根材であるスレート屋根には、かつてはアスベストを混合した建材が多用されていた。一般的なスレート屋根は、10年から15年程度で再塗装、20年から30年ほどで葺き替えや重ね葺きといった修繕が必要となる。アスベストを含んだ屋根をそのまま工事したらアスベストの大量飛散を招く恐れがあるが、放置しておくのも望ましくない。工事の専門会社に状況を確認し見積もってもらうことで、解決策が見つかることもある。

屋根といえば有名なのは「瓦」ですが、実際にはさまざまな建材が使われています。なかでも洋風な住宅に特に適している建材として人気が高いのが、「スレート屋根」です。「コロニアル屋根」「カラーベスト」といったメーカーの商品名で呼ばれたり、屋根の形状や文字の類似から「ストレート屋根」と呼ばれたりすることもあります。

そんなスレート屋根、なかでも築年数が経過している建物に使われているスレート屋根には、注意すべき点があります。それは、スレート屋根とアスベストの関係です。修繕するにしても解体するにしても、その屋根を適切に扱うために、その関係を把握しておきましょう。

スレート屋根とは? アスベストとの関係について

助手さん、屋根にもアスベストが使われていたのは知っていますか?

知らなかったです!屋根は一般的な住居でも使われている普通の屋根ですか?

そうですね。スレート屋根といわれる屋根が今回のテーマになります。ストレート屋根は、粘土板岩を薄く加工して薄い板状にした屋根材を指します。スレート屋根には、天然石を使った「天然スレート」や主にセメントを使った「セメント系スレート」などがあり、過去によく使われていたのが「石綿スレート」です。

もしかして、その「石綿」が「アスベスト」なんですか?

正解です!アスベストは高い断熱性や耐久性など非常に多くのすぐれた性質を有しており、それでいて安価ということで建材として活用されました。アスベストとセメントをミックスした石綿スレートは、軽量・高機能な安価の屋根材として、かつては広く普及していたんです。

でも、規制がかかってからは使われていないですよね?

はい。アスベストが人体に深刻な健康被害を及ぼすことが判明すると、1975年、1995年、2004年と段階を踏んでアスベストの使用が規制されるようになり、2006年には使用が全面禁止されました。屋根材では、2004年以降は使われなくなっています。

今はどんな素材が使われているんですか?

代わりに開発されたのが「無石綿スレート」です。無石綿スレートは、アスベストに代わってパルプなどを混ぜ込むことによって軽量性と耐久性を維持しており、近年多く使われています。

スレート屋根の修繕方法について

確か、一般的なスレート屋根の場合、10年から15年程度で再度塗装を施すことが推奨されていますよね。アスベストの飛散は大丈夫なんでしょうか?

もしメンテナンスを行ったとしても、20年から30年ほど経つと寿命を迎えることも多いですし、そうなれば葺き替えや重ね葺き(カバー工法)などを検討する必要がでてきます。そうした事情から、スレート屋根を採用した建物でこうした時期を迎える際には何らかの手を入れることが多く、そこで屋根にアスベストが含まれていたと気づくケースが少なくないんです。もし既存の屋根にアスベストが含まれている場合、こうしたメンテナンスを実施するにも対策が必要となりますね。

屋根の再塗装前には高圧洗浄が必要みたいですが、それは問題ないんでしょうか…?

いえ、アスベストを含んだ屋根を再塗装する場合には、塗装前に高圧洗浄を行うプロセスでアスベストの大量飛散を招いてしまう懸念があります。また、屋根の葺き替えでは、既存の屋根をすべてはがす際にアスベストの大量飛散が生じることが考えられます。

やっぱりそうなってしまいますよね。アスベストの飛散は、工事関係者だけでなく近隣の住民の方々にも悪影響が及びますし、いずれのケースでもそうならないよう、工事時の対応から廃棄物の処分まで対策が必須になりますね。費用についても調べておかないと…。

また、既存の屋根の上に新品の屋根を重ねる重ね葺き(カバー工法)は、既存の屋根に対する修繕が困難であるうえに新しい屋根材が重なることで重量が増えます。そのことが耐震性などに不利な影響を与える可能性を考慮し、十分検討しておく必要があるでしょう。

放っておくと知らない間にアスベストが飛散する

屋根の老朽化は気になりますし、屋根にアスベストが使われているとわかってはいるものの…。工事費用を心配する方や、「中途半端に手をかけるよりは何もしないほうがいいのではないか」などと考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、屋根に雨漏りが生じていたら、雨の水分や湿気で生じるカビと一緒にアスベストが家のなかに飛散してしまう危険もあります。そうした老朽化を放置しておくことで、家の耐久性自体に対する心配も生じるでしょう。また、屋根のコーティングが雨風や紫外線の影響を受けて劣化することで、建材に含まれたアスベストが少しずつ飛散していくことも十分考えられます。したがって、屋根をそのまま放っておくことにいいことはなく、かえって知らない間に家の内外にアスベストの飛散を生じさせてしまう懸念があるといえます。

なるほど…。「なんとなく」で放置せず、どのような工事が必要か、どのぐらいの費用がかかるのかを把握しておかないといけませんね。

そうですね。複数の施工会社に見積もってもらうことで、思っていたよりも費用が高額でないと判明したり、自分が知らなかったいい解決策が見つかることもあります。現実的な解決策を見出すには、信頼できる相談相手や施工会社を探したいものです。解体工事の会社に見積もりを依頼するのは、その第一歩にもなるでしょう。

長い間住んできた住宅は、いつかは老朽化によってさまざまなところに傷みが生じて、修繕が必要になりますよね。その1つが「屋根」なんですね。どれだけ大切に住んできたとしても、これは仕方ないことですよね。

そうですね。それに、一見して壊れているわけではなくても、屋根では雨漏りが生じていたり、それによってカビや腐食が発生したりしていることもあります。特に、屋根にアスベストが使われている場合、老朽化を放置しておくことで有害物質の飛散を招き、入居者や近隣住民の方々に重大な健康被害を及ぼしてしまう危険もあるんです。屋根のメンテナンスを万全にするために、屋根とアスベストの関係やその修繕方法について理解しておきましょう。


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