アスベスト廃棄物の適切な処理方法とは?正しい手法を学んで安全な生活を守ろう

アスベスト博士
素人にはわかりづらいアスベストをやさしく説明してくれる博士。

30秒でわかるまとめ

  • アスベスト廃棄物には飛散性のものと非飛散性のものの2種類がある
  • 2種類ともに産業廃棄物として処理しなければならなく、煩雑な手続きが必要
  • 専門家の知見を交えて廃棄を計画することで、よりスムーズに廃棄が出来るかも

ご存知の通り、アスベストは人体に有害な物質として1980年代以降規制を受けてきました。しかし規制を受ける以前に建設された建造物についてはその限りではなく、ずっと放置されてきてしまっているのが現状です。

そして現在、そういったアスベストを用いられているアパートや公共住宅などが老朽化し始めてきているため、場合によっては壁や天井が崩れてアスベストが剥き出しになってしまうことも。このような建造物には早急にアスベスト処理を行わなければなりません。

ということでここでは、アスベスト廃棄物はどのように処理すれば適切なのか、その手法をご紹介します。

アスベスト廃棄物とは?

博士、今日はアスベスト廃棄物について教えてください!

では、今日はアスベスト廃棄物をテーマにお話していきましょうか。まず本題へと入る前に、アスベスト廃棄物について軽くご説明しますね。アスベスト廃棄物はその名の通りアスベストが含有されている廃棄物を指しています。飛散性アスベスト廃棄物、非飛散性アスベスト廃棄物に分類されるのはご存じですか?

2種類に分類しているのは初めて知りました。廃棄物は単純に廃棄物だと思っていたので…。

そうでしたか。では、この2種類について詳しくご説明しましょう。飛散性アスベスト廃棄物は「廃石綿及び石綿が含まれ、若しくは付着している産業廃棄物のうち、飛散するおそれがあるものとして次に掲げる事業等により発生したもの」と定義付けされています。法律上は「廃石綿等」として定義されている廃棄物をさします。

う~ん、たとえば吹付けアスベストなんかは飛散性アスベスト廃棄物にあたるんでしょうか?

正解です!飛散性アスベスト廃棄物の主な例としては、吹付石綿、石綿保温材、けいそう土保温材、パーライト保温材などのほか、アスベスト除去に用いられてアスベストを含有しているおそれがあるプラスチックシート、防塵マスク、作業着などが挙げられます。

作業に使ったものも飛散性アスベスト廃棄物の扱いになるんですね。では、もう一種類はどんな廃棄物なんでしょうか?

非飛散性アスベスト廃棄物は、飛散性アスベスト廃棄物以外のアスベスト廃棄物を指します。アスベストの飛散が生じないと判断されたものが分類されます。これには、アスベストを含有したPタイル、石綿管、パルプメント板、フレキシブルボード、スレート板などのアスベスト成型板が主に含まれます。

どれが飛散性で非飛散性か、覚えておくと便利そうですね。

アスベストの処理方法とは

アスベスト廃棄物はどうやって処理したらいいんでしょうか。

アスベスト廃棄物には、特別管理産業廃棄物に分類される飛散性アスベスト廃棄物と、ただの産業廃棄物に分類される非飛散性アスベスト廃棄物の2種類があるのはもうわかりましたね。処理方法は、それぞれで中間処理など方法が変わってきます。

中間処理ということは、処理も段階を踏まないといけないんですね。なかなか大変そうです。

もちろん、どちらでも処理の方法はきっちりと定められていますので、方法をよく確認してから安全な処理を行えるようにしましょう。

飛散性アスベスト廃棄物の場合

飛散性アスベスト廃棄物の場合は、大気中にアスベストが広がってしまい広い範囲へ健康被害を及ぼす可能性があるため、かなり厳しく処理を行うことが義務付けられています。

作業に使用したものも飛散性アスベスト廃棄物に該当するところをみると、相当厳しいことが想像できます。

飛散性アスベスト廃棄物は、もともと用いられていた建造物などから収集された後、耐水性の梱包材で二重に包む、もしくはセメントで固めて所定の管理型産業廃棄物最終処分場へと埋め立てされて廃棄が完了します。あるいは、収集されたアスベスト廃棄物を高温で溶融させることで廃棄物を無害化し、その後管理型、あるいは安定型の産業廃棄物最終処理場へと運ばれて埋め立てされることも。

禁止事項はあるんでしょうか。

あります。どちらの方法でも海洋投棄が厳しく禁じられているということ。水によってアスベストが分散され、新たな健康被害などが引き起こされる可能性を封じているのです。

たしかに水の流れでどんどん広まってしまいますよね…。

ちなみに、産業廃棄物最終処理場の種類である管理型、安全型というのは、主に埋め立てられる物質によって分類されています。環境に対して負荷がかからないとされている物質は安全型へ、負荷がかかってしまうものは管理型へと埋め立てられているんです。

非飛散性アスベスト廃棄物の場合

それでは、非飛散性アスベスト廃棄物の場合はどうなっているんでしょうか?

非飛散性アスベスト廃棄物は、飛散性アスベスト廃棄物と異なって大気中にアスベストが拡散されてしまう確率は低くなっているため、飛散性アスベスト廃棄物の場合よりも少し処理しやすい方法で処理が行われることになっています。

とはいえ、しっかり処理しないといけないですよね。

もちろんです。各建造物などから収集された非飛散性アスベスト廃棄物は、破砕などによってアスベストが外部に流出してしまわないよう注意しながら、管理型あるいは安全型の産業廃棄物最終処理場へと運ばれて埋め立てられて処理を完了されます。つまり、非飛散性アスベスト廃棄物には飛散性アスベスト廃棄物のように主だった中間処理を必要とせず、そのまま埋め立てを行っても大丈夫だ、ということですね。

こっちの方法であっても海洋投棄は禁止というのを忘れないようにしないといけませんね。

おわりに

アスベストにより健康被害が多数報告され早急な除去が望まれている昨今、やはり処理する方法もかなり厳密・厳重なものとなっています。

個人であっても、どういう廃棄方法があるのかも知っておく必要がありますね。

そうですね。ノウハウの蓄積がかなり重要となっているのは間違いありませんので、アスベストの除去を行う際には専門家の知見を交えて計画を立てると良いかもしれません。

まだ大丈夫だなんて言いながら建造物に含まれているアスベストを放置しておくと、さまざまな病気にかかってしまうなど取り返しのつかない事態になることも容易に予測できますね。

そのとおりです。なるべく迅速な対応を心がけましょう。


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